★西村行功 / 『戦略思考のフレームワーク―未来を洞察する「メタ思考」入門』
●「アウトサイド・イン」の思考フレームワーク
外を主体にして内を考える。
情報収集の際には、自分たちにとって意味ある情報か、
関係ありそうかといった点を事前に判断するのではなく、
広く自分の外側にある情報をとらえます。
自分や自社の強みを一旦横に置いて、
関係あるかないかわからないようなものまで、
発散型で広く情報収集することになります。
結局無駄となる情報もあるでしょうが、
新たな発見が起こる可能性も高くなります。
アウトサイド・インを相当に意識していないと、
いつのまにか、自分たちに都合の良い情報しか集めていなかった
ということになりかねません。
●3C
(1)Customer 顧客
(2)Competitor 競合
(3)Company 自社
●セプテンバー(SEPTEmber)
(1)Society 社会
(2)Economy 経済
(3)Politics 政治・政策
(4)Technology 科学技術
(5)Ecology または Environment 地球環境
・(1)〜(4)PEST(ペスト)分析と呼ばれることもあります。
●環境変化キーワード = 変化ドライバー
●演繹、帰納に次ぐ第三の推論法である「アブダクション」
仮説をつくるときに役立つ思考法です。
「個から全体を推論する」という意味で、帰納に似ています。
しかし、帰納が個々の事象から、「その事象の全体像」を探るのに対し、
アブダクションとは、個々の現象から、
なぜそのような現象が起きたのかという「原因仮説」を発見する推論法です。
結果を見ながら原因を探るという意味で、
「逆・因果思考」のようなものです。
結果から原因を遡及(そきゅう)するという意味で、
遡及を意味する「リトロダクション」とも呼ばれています。
●アブダクションの思考ステップ
(1)「意外な現象」が発見される。
(2)その現象が起こったのは、あることが原因ではないか、
という仮説が立てられる。
(3)その仮説を他の事例にも当てはめて検証すると、
その仮説は間違いなさそうなことがわかる。
●バックキャスティング
一旦、未来に跳んで「起こり得るシナリオ」を描き、
そこから振り返ることで改めて変化ドライバーを確認し、
また、現在との繋がりを確認すること。
未来から後ろを振り返る=「バック」キャスティング
●現在の状況と未来の状況の繋がりをチェックする2つのポイント
(1)モノゴトが起きる順序の確認
(2)モノゴトにはそれが起きるための「準備時間」が必要だという確認
=>シナリオの年表化
ストーリーの「あり得そうさ」が論理的にチェックできるようになる。
●プロセスマネジメントスキル 3つのキーワード
(1)発散と収束を繰り返す
(2)議論の安全地帯をつくる
(3)アウトサイド・インの落とし穴を避ける
●足場かけ
教育現場での共同学習の概念の一つ。
子どもが新たな学びに至る過程では、
独力で解決できる領域の少し外の領域に「背伸び」させることが大切であり、
また、その領域について、
最初は外部からの手助けを受けてできるようにすることで、
次からは独力でもできるようにさせることが大切であるという考え方。
●シナリオづくりは、「押し付けられた未来」ではなく、
自分で考えた「未来仮説」のバージョンアップが鍵。
「未来の議論に正解はない」ことを認識しておくことが重要。
「正解化どうか」に自信がないために
何も行動が生まれない状況を許容するのではなく、
「ある程度これで良いと思える仮説」に基づいて行動を起こすこと。
正解を探すというより、行動しながら仮説のバージョンアップを繰り返す。
●アクション・ラーニング(行動学習)
行動することによって理解を深めていく考え方。
●シナリオに限らずどのようなプロジェクトであっても
「仮説づくりにかける時間は持ち時間の20%以内で」というのが、
私が経験的に得た結論です。
残りの80%を検証や「分解度」の向上や仮説の再構築に使う。
初期仮説が間違っていても、やり直せる時間的余裕がある。
●戦略的示唆
シナリオづくりの過程では、
「好ましい未来か、好ましくない未来か」ではなく、
「起こり得る未来かどうか」を議論し、その後、
「そのような未来が起こり得るとしたら、どのような戦略を取るべきか」
についての示唆のことを戦略的示唆と呼んでいます。
●成功の鍵 KFS = Key Factor for Success
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