★森由香子 / 『あなたの寿命は食事が決める!』
●動脈硬化は、LDLコレステロールそれ自体ではなく、
活性酸素などで酸化変性をうけた、
変性LDLコレステロールによって進行します。
ですからLDLコレステロールを酸化させないことが重要。
酸化を予防してくれるビタミンが、ビタミンA、C、E。
どれも緑黄色野菜に含まれています。
●レムナント(残り物)コレステロール
食べ物から吸収され、小腸から肝臓に運ばれている最中のコレステロールで、
第三のコレステロールと呼ばれています。
レムナントコレステロールがLDLコレステロールと同様か、
それ以上に動脈硬化を引き起こすといわれ、注目を集めています。
レムナントコレステロールを下げるのに有効なのは不飽和脂肪酸です。
中でも青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)は
血栓の生成、動脈硬化を予防します。
意識的にアジ、サバ、イワシといった青魚を食事に取り入れてください。
●ハッピーホルモン
美味しいものを食べたり、スポーツしたりすると
いつの間にか心が落ち着き、すっきりした気持ちになりますよね。
これは別名「ハッピーホルモン」とも呼ばれる
「セロトニン」という神経伝達物質が、十分に分泌されたためです。
セロトニンは、精神を安定させてくれ、
幸福感を高めてくれる素晴らしいホルモンで、
必須アミノ酸のトリプトファンから作られます。
必須アミノ酸は、体内では合成できないため
食事から補給する必要があります。
トリプトファンは肉、魚、卵、大豆製品、乳製品をはじめとした
良質なタンパク質食品に多く含まれています。
ストレスに耐える体を維持しながら
ハッピーホルモンのセロトニンを作り出すためには、
タンパク質をしっかりと補給することが大切になります。
また、エネルギーを作り出すためには、ビタミンB群も欠かせない栄養素です。
ビタミンB群を多く含む食材は、
玄米、肉類、レバー、魚、牛乳・乳製品、卵などです。
また、ビタミンCを多く含む食材は
赤ピーマン、ブロッコリー、ゴーヤ、じゃがいも、
キウイフルーツ、いちごなどです。
●末梢時計遺伝子が司る体内時計は、食事をすることでリセットされます。
口から食物が入ることによって胃腸が動き出し、1日の始まりを認識し、
各内臓が動き出すのです。
朝食をとらないと末梢時計遺伝子がリセットされないため、
体の各々の細胞の代謝がしっかりとスタートできず、
体温やエネルギー産生が低い状態のままになります。
仕事の都合などで昼夜が逆転している夜型の生活習慣の方は、
それがしっかりリズムをもって規則正しく安定していれば、
大きな問題はありません。
夕方や夜に起床したとしても、
そのときの最初の食事を「朝食」としてとらえてください。
規則正しい食事時間を心がけることが大切です。
起きてから2時間以内に食べれば内臓をはじめとする
全身のいたるところにある時計遺伝子が動き出します。
●1日のスタートに食べる朝食は、
その夜の質の高い睡眠と翌朝の目覚めにも影響を与えます。
朝食の内容で質の高い睡眠を誘導する
「メラトニン」というホルモンの合成量が違ってくるからです。
朝食に必須アミノ酸であるトリプトファン
(肉、魚、卵、大豆製品、乳製品に多く含まれる)をとることで、
日中に精神を安定させ、やる気のもとになるハッピーホルモンといわれる
セロトニンが合成されます。
そして、セロトニンからメラトニンが合成されます。
セロトニンからメラトニンへの合成は、暗くなると始まるとされています。
メラトニンは、体内時計の働きによって朝の光を浴びてから
14〜16時間後に血中濃度が増大し、眠りをもたらします。
眠る前に明るい照明の部屋にいると、
分泌は抑制されるため寝つきが悪くなる原因となります。
メラトニンがしっかり分泌されていると寝つきがよく、ぐっすり眠れます。
もちろん、翌朝の目覚めもスッキリです。
●睡眠の質を保つために注意したい5つのこと
(1)就寝前にはスマートフォンやパソコンを見ることは控えましょう。
(2)カフェインを含む飲み物は、夕方ぐらいから控えるようにしましょう。
(3)熱いお風呂は交感神経を刺激します。
40度程度の心地よいお湯にゆっくりとつかることで、
心身を穏やかに保つ副交感神経が優位に働きます。
(4)睡眠時間は、7時間程度は確保するとベストです。
睡眠不足が続くと食欲を抑えるホルモン「レプチン」が減り、
食欲を促進する「グレリン」の働きが増します。
つまり、満腹感が得られず食べすぎてしまうのです。
さらにグレリンには脂肪組織に脂肪を蓄積させる働きもあるため、
太りやすくなってしまいます。
(5)お酒が好きな方は、寝酒は避けましょう。
アルコールを飲むと、寝つきはよいのですが、
睡眠の後半になると交感神経の活動が高まり、
その興奮作用から目が覚めやすくなってしまうのです。
また、アルコールには脱水作用もあるため、喉が渇きやすく、
これも安眠を妨げる一因となります。
●早起きをして朝日を浴び、朝食をとる。
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